■骨移植(ボーングラフト) 治療症例
インプラントの埋入にあたり、骨が足りない部分に骨をつぎ足してインプラントが入れられるようにすることをいいます。
インプラントを入れたい骨頂の外側の骨が吸収してしまっている場合がたびたびあります。
他部位から骨をブロックで採取し足りない部位に貼付けます。
![]() |
右下5の1歯欠損ですが、ちょうどインプラントを入れる入り口の皮質骨が吸収してしまってここの幅が足りません。 この長さにして8ミリ程度の部分に骨を移植したいわけです。 |
![]() |
粘膜骨膜を剥離し移植したい部位を明示します。 |
![]() ![]() |
骨採取部位はオトガイ骨です。 ちょうど同じぐらいの皮質骨の厚みをもつ部分です。 |
![]() |
直径6ミリのトレフィンバーを使い頬側の皮質骨は一瞬にして切除できブロック骨を2つ採取しました。 |
![]() |
それを重ね合わせ、チタンスクリューにて固定します。 |
実際は下方のブロック骨はスクリューにて割れてひびが入ってしまいました。
骨が動かなければ大丈夫です。
手術後骨が露出しないよう緊密に縫合します。
【まとめ】
約4~5ヶ月後、骨が生着後インプラントを埋入します。
■骨移植後のインプラント埋入
![]() |
前回骨移植後経過良好で、約4ヶ月が経過したのでインプラントを埋入しました。 術前の状態です。 |
![]() |
通法により切開、粘膜骨膜弁を剥離してすぐの状態です。前回骨移植したオトガイの円形の厚みのあるブロック骨に注目です。 うっすらとラインが見えますが、スクリューの位置により完全にブロック骨が周囲骨に生着し同化しているのがわかります。 |
![]() |
スクリューを除去し通法により、明らかに幅が増加した骨頂より直径4ミリのインプラントをらくらく埋入できました。 このように骨頂の幅が足りないケースには非常に有効なボーングラフトです。 |
![]() |
縫合し終了。 ブロック骨固定によるボーングラフトは2回手術をしないといけないデメリットはありますが確実にインプラントを埋入できるという点で優れています。 また、メンブレンやチタンメッシュといった移植骨の形態付与の材料を必要としません。 |